三瀬さん級の評価お願いしま~す!!

 ソフトバンク摂津正投手(27)が記録的シーズンを年俸の大幅アップで締めくくる。14日、人生初の契約交渉に臨む。70試合登板のフル回転でパ・リーグ新人王に輝いた右腕は、今季年俸1200万円の5倍、6000万円前後の攻防を視野に。同じ社会人からプロ入りし、04年新人王に輝いた先輩左腕、三瀬幸司投手(33)のアップ割合を目安にする考えだ。球団から中継ぎエースを象徴する背番号「16」への変更を打診されたが断ったことも分かった。

 マウンド上同様のクールさと強心臓で、大幅アップを狙う。ルーキー摂津が新人王のタイトルを引っ提げ、14日人生初の契約交渉に臨む。交渉を翌日に控えたこの日は、福岡市内の家電量販店でトークショーに参加。ファンとのふれあいを楽しんだ右腕は終了後、冷静な口調ながらファイティングポーズをとった。

 摂津

 きっちりした数字とかまでは考えていませんが、過去の先輩方の(アップ幅)を参考にしたい。三瀬さんとかは似てると思うので。

 最低ラインに設定する数字は04年オフ、更改した三瀬のアップ幅。この年新人だった三瀬は55試合に登板、28セーブで最優秀救援投手賞と新人王をダブル受賞。年俸は800万円から5倍、400%アップの4000万円になった。「三瀬さんは確か5倍でしたよね」。同じ社会人出身で摂津自身も参考にしやすい。ただ摂津は三瀬より15試合多い70試合に登板。防御率も1・47と三瀬の3・06を大きく上回る。今季年俸1200万円の5倍、6000万円以上の提示も十分に考えられる。

 今オフは森本が微増に激怒し保留するなど、チームはここまで厳冬更改の流れ。簡単に甘んじれば他選手への影響も出てくる可能性もある。「みんなの期待?

 それもあるので、しっかりと納得して判を押したい」。先発投手にも「何人かに話を聞きにいきました」と“こだわり”の姿勢を見せた。

 背番号「50」を生涯背負う決意も固めた。活躍を認められ、すでに今オフ、球団から「16」への背番号変更の打診があったという。「16」は今季限りでチームを離れた篠原が背負っていたホークスの中継ぎエースを象徴する番号。それでも「せっかく今年1年で、50は摂津だと覚えてもらえたので。(背番号は)積み重ねていくものだと思っているので」と丁重に断りを入れた。

 「50=摂津」のイメージを植え付けられるような、球界を代表する選手になるという気概が込められている。名実ともに一流への階段を進むためにも、摂津は大切な“71試合目”のマウンドに決意を持ってあがる。【倉成孝史】