若き大砲が、かつての強打者の魂を受け継いだ。横浜筒香嘉智内野手(19)が2日、横浜市内の球団事務所で初の契約更改に臨み、100万円増の900万円でサイン。来季からは背番号「8」をつける。「ひと桁をつける以上はしっかりやらないと。高校日本代表でもつけた僕の中ではいい番号です」。ここ2年は空いていたが、大洋時代は桑田武が背負った番号だ。59年本塁打王、60年には主軸としてチーム初の日本一に貢献。61年には打点王を獲得して長嶋の3冠王を阻止したスラッガーの番号は、スケールの大きな筒香によく似合う。

 契約更改では100万円増を勝ち取った。最終戦で劇的なプロ1号こそ放ったが、1軍での安打はこの1本だけ。「査定上では現状維持」(球団関係者)も、期待料や話題性を考慮しての増額だ。「とにかくチームの勝利に貢献したい。タイトルは意識せずに自分のペースを守りたい」。周囲の過熱ぶりにも筒香は相変わらず。そのマイペースぶりが大物の証明だ。(金額は推定)