新査定とレコーダーに、エースが切れた。ソフトバンク杉内俊哉投手(30)が10日、福岡ヤフードームで代理人とともに契約更改交渉に臨んだが、5000万円アップの推定3億5000万円を保留。交渉中のことだった。突然、小林取締役がレコーダーを持ち出したという。酒井弁護士はレコーダー交渉に「尋問を受けているようだった。温度差がある。溝が深いというか、幅がある」と話した。

 マウンド上ではどんな結果も受け止めるが、エースは会見場で必死に怒りを静めようとした。「(保留の理由は)何でしょうか…。すべてです。会見に出ようかどうかも迷うくらい。条件面?

 それも、納得できるものではない。誠意が伝わらない。どうしましょう。ボク(思いをすべて)言っちゃいそうです」。

 4年連続2ケタ勝利をマークし、その4年間で15勝以上3度。今季は16勝も、新査定では来年16勝しても優勝しなければダウン提示がはじき出される。大幅昇給がないのに、減額制度を超えるダウンはあり得る制度に「ダウン幅が大きい。数字を残しても優勝に絡まなければダウンする。選手によって足元見たり(するのが許せない)。話す気にもなれなかった」と言った。次回交渉は25日だが、混迷ムードは収まりそうにない。【松井周治】