初出場のチェコが、9回に劇的な逆転弾を決め大会初勝利を挙げた。

1点ビハインドの9回表。1死から4番マルティン・チェルベンカ捕手(30)が四球で出塁。5番マチェイ・メンシク外野手(30)が二塁打でつなぎ1死二、三塁とすると、6番マルティン・ムジーク選手(26)が左翼ポール際に逆転3ランを放った。

一塁側のチェコベンチは選手総出で大盛り上がり。スタンドも決して大人数ではない中、声を張り上げ攻撃を盛り上げた。その後、さらに1点を追加。初回にチェコ先制→7回に中国逆転→9回にチェコが逆転のシーソーゲームを制した。

ムジークは「私の唯一の目標は(欧州予選が行われた)レーゲンスブルクと同じく、走者を進塁させることだと思っていた。打てる球がきたと、思い切りやった」と胸を張った。ハジム監督は「本当に素晴らしい気持ち。世界の舞台でチェコの野球を見せられた」と喜んだ。

総人口が約1000万人のチェコだが、野球人口は約7000人。アイスホッケーやサッカーが盛んで、野球はマイナースポーツという位置付けだ。ただ、ソフトボールは人気がある。

選手はほぼ全員、学生か、野球ではない職業を持っている。この日も2番手で登板したエースのマルティン・シュナイダー投手(37)は消防士。その他、医師や金融マンら、参加全チームで最高の頭脳派が集まっている。日本戦を前に、全員野球でつかんだ1勝。試合後、東京ドームのファンからの拍手は、しばらく鳴りやまなかった。

【WBC】初出場のチェコが歴史的1勝 9回表に3ランで中国に逆転勝ち/詳細