侍ジャパンの大谷翔平投手(28)が、準決勝のメキシコ戦を勝ち抜き、決勝で二刀流として準備する覚悟を示した。

所属するエンゼルスの開幕戦(3月30日、アスレチックス戦)を見据え、準決勝以降は打者専念となる見込みだったが、決勝戦でマウンドに上がる可能性が出てきた。

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もともと、大谷は決勝ラウンドでは打者専念となるとみられていた。というのも、エンゼルスのネビン監督が30日のシーズン開幕戦の先発から逆算し、24日のパドレスとのオープン戦で調整登板させることを明言。準決勝と決勝では投げさせない意向を示していた。

ではなぜ、リリーフで起用することが可能なのか。エ軍のミナシアンGMはかねて、大谷のWBC参加に関し「ライトでもセンターでもクローザーでも、やりたいことはなんでもやっていい。彼が、その権利を得た」と容認。実績に加え、体調管理にも信頼を寄せている。もちろん、開幕前に体を酷使させたくない球団側の本音もあるだろう。だからこそ大谷も「ここまで球団にもわがまま聞いてもらって、本当にいろいろと許容してやってもらっているところはあるので。体と相談して」と、慎重な姿勢を見せるのもうなずける。

WBCで2度の登板機会はともに先発。例年のオープン戦と同じように、この時期に球数と強度を上げていければ、開幕に備えられる。エ軍と栗山監督の間で合致する思惑や、大谷自身の状態など、さまざまな条件をクリアした先に胴上げ投手の実現が見えてくる。【MLB担当=斎藤庸裕】