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 止まらない進化の一番の根底にあるのが、戦うための土台になるフィジカルの強さ、それに対する理解度の高さだ。ダルビッシュが日本NO・1右腕の称号を確立した分岐点が、2年目の06年シーズン序盤だった。入団当初は右ひざ関節炎、その後もルーズショルダー気味だった肩周りなどに悩まされたこともあった。たぐいまれなポテンシャルを持ちながらも、それを発揮できない障害を排除するため、コンディショニングの重要性に開眼したことが、現在の飛躍的な成長へとつながっていった。

ストイックさが、NO・1右腕を生んだ

沖縄の強い日差しの中、リラックスムードでバランスボールに腰かけるダルビッシュ(撮影・井上学)
沖縄の強い日差しの中、リラックスムードでバランスボールに腰かけるダルビッシュ(撮影・井上学)

 手探りだったルーキーイヤーの05年は5勝と、高卒新人なら及第点といえる成績で終え、翌年に転機が到来した。開幕からローテーション入りしたが、試合によって好不調の波があった。毎試合、安定したパフォーマンスを発揮するための術の1つが、コンディショニング。現在も師事する中垣チーフトレーナーの進言を、より真剣に聞き入れるようになった。マウンドに上がる使命と並行して、より体づくり、投球のメカニズムへの理解を深めていったといえる。

 ダルビッシュは現在までに至った過程の一端を、こう明かしたことがある。「ランニングもウエートも、そういうのを全部、バランス良くやっていますね。どれが1番っていうことはなく、全部に力を入れてちゃんとやってますけど」。体を動かすためのエネルギーになる、食事面の意識も高まった。ウエートトレーニングを含めた練習量を効果的に反映させるため、適正な栄養バランスにも配慮するようになるなど、グラウンドを離れてからの生活もストイックに変化した。

最高パフォーマンスは最高の探求心から

 食事だけで補えない部分は、サプリメントなどでカバー。キャンプ期間中はチームメートに対しても的確な摂取方法をアドバイスするなど、周囲へも還元した。その06年からは公式戦のマウンドで身を削りながらも、発展途上にある自分を見据え、忠実に強化のためのルーティンを消化。気分が乗りづらいはずの登板翌日のジョギングなど、有酸素運動のメニューにも、より真剣に取り組むようになった。もちろんそれを支えるギアにも配慮。2月のキャンプ期間中のトレーニング時に、ナイキ社の新製品「NIKE PRO」を状況に応じて着用するなど、探求心は尽きない。

 現在の高みへ至る出発点になった、この2年目シーズンに12勝。5月からは公式戦終了まで破竹の10連勝を飾った。フィジカル面の強化、コンディショニングを徹底したことだけがその要因とは言えないが、結果は出た。翌07年に沢村賞も獲得するなど、以来4年連続2ケタ勝利をマーク。昨季までのここ3年間に限れば、すべて15勝以上&防御率1点台という驚異の数字を残している。他の追随を許さない今の立場、自分自身の運動センスを最大限に生かすために、1日1日を積み上げてきた。投球時、立ち姿…。ダルビッシュがマウンドで見せる美しいフォルムが、継続してきた努力の結晶だ。【日本ハム担当・高山通史】



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