<離島甲子園:隠岐の島あんやらーず2-1久米島イーグルス>◇30日◇決勝

 八丈島にそびえ立つ雄大な八丈富士をバックに、隠岐の島あんやらーずナインが、何度もガッツポーズを繰り返した。2年ぶり3度目V。平井監督、MVPを獲得した古川泰晟主将(3年)が胴上げで宙を舞った。プロ野球元ロッテの村田兆治氏(日刊スポーツ評論家)が提唱した“離島甲子園”も今回で5回目を迎え、史上最多の21チーム、324選手が集結。その頂点に立ったのが、隠岐の島あんやらーずだった。

 1点を追う7回、先頭の重栖が中前打で出塁し、犠打で二進した後、藤野の左前打で1死一、三塁のチャンスをつくった。ここからが、誰も予想しなかった展開。続く河内から相手の3連続死球で、まさかまさかの逆転サヨナラ劇で優勝を手にした。平井監督は「島も少子化で今年は選手わずか11人でやってきた。この少ない人数でいろいろ不安もあったけど、選手がよく頑張った」と感無量の様子だった。練習の球拾い、グラウンド整備、試合のコーチスボックスの担当まで全員で分担した。「普段のそういう気持ちがあったから試合でも一致団結した」とチームワークの勝利を強調した。

 昨年のリベンジも果たした。昨年の第4回大会は準々決勝で久米島イーグルスに0-4で敗退。3度目の優勝を飾った平井監督が隠岐の島の監督になってから初の黒星だった。先輩の悔しさは、後輩へと引き継がれていた。古川主将は「決勝前のミーティングで、先輩のリベンジをしようと全員で誓い合った。接戦が多かったが、これまでの練習の成果が出ました」。古川は4試合に投げ、19イニングでわずか2失点と優勝に大きく貢献。大会MVPに選出された。

 これまで2回優勝したメンバーは、それぞれ島根市内の強豪校に進学し、甲子園を目指している。しかし今年のメンバーは、わずか11人で結束力も抜群。古川主将は「みんなで地元の島の高校に進学し、甲子園を目指そうと思います。隠岐の島から甲子園に出るのが僕らのこれからの夢というか目標です」。全国離島の頂点に立って、ナインの夢が目標へと変わった。