侍エースのサポート態勢が整った。楽天田中将大投手(24)、聖沢諒外野手(27)、松井稼頭央内野手(37)のWBC代表候補に、熊原稔コンディショニングディレクター(CD=48)が同行することが11日までに決まった。同CDはリハビリやトレーニングを含むコンディショニング部門の総責任者。3選手とともに14日にキャンプ地の沖縄・久米島を離れ、代表合宿が行われる宮崎に入る。

 これまでも、WBCや五輪の際には、球団のトレーナーが代表選手に同行。サポートを行ったが、今回はコンディショニング部門のトップ自ら赴く。背景には、田中の体調管理を徹底させたい狙いもある。熊原CDは09年秋に就任。10年の太もも、右大胸筋、12年の腰と、田中の故障歴を熟知する。WBC出場で、通常のシーズンとは異なる負担が想定されるだけに、田中には心強い限りだ。

 頼もしい“援軍”を得た田中はこの日、力強い約束をした。チームの日課である朝の散歩。宿舎近くのビーチで、今季目標を掲げる「声出し」の順番が回ってきた。海に向かって「今年はWBCで世界一、シーズンで日本一、この2つの頂点を目指して、そのために1年間フル回転していきたいと思います」と大声で宣言。「全国の野球ファンの皆さんに言わせていただきます。今年の野球界の主役は、俺たち楽天です!」と締めた。3連休最終日、ファンの大歓声が起きた。

 今日12日には紅白戦に先発する。星野監督は「避けることはない」と主力組に投げさせることを示唆。オランダ代表ジョーンズとの対戦は、WBC前哨戦ともいえる。田中は2年前の声出しで沢村賞奪取を宣言し、そのとおりになった。「何日か前から考えていた」という声出しの約束を実現させるため、まずは今季初実戦に臨む。【古川真弥】