熱投で猛アピール大成功!

 WBC日本代表候補の広島今村猛投手(21)が13日、山本浩二代表監督(66)から大絶賛を受けた。指揮官の前で直球30球を投げ、「1番ストレートがキレている」と言わしめた。午後から、再びブルペンで80球の投げ込み。前日に38度の熱があったことが信じ難いハッスルぶりだった。今日14日の紅白戦で仕上げ、代表合宿という名のサバイバル戦に飛び込んでいく。

 前夜の発熱は嘘だったのか。今村は病明けとは思えないボールを投げ続けた。山本監督をはじめ、WBC日本代表首脳陣の視線が注がれる中で直球を30球。乾いた音がブルペンに響き渡った。代表最年少右腕の威勢の良い投球を、指揮官は頼もしげに見守った。今村は前日38度の発熱があったが、山本監督は「かえって良かったんじゃないかな」と笑っていた。

 山本監督

 今まで見てきた中で1番ストレートがキレていた。(役割は)セットアッパー的なところになるのかな。

 出てくる言葉は、賛辞ばかりだった。代表合宿直前の視察ということもあり、仕上がった状態でのブルペン投球。中日浅尾が右肩に不安を抱える中で、隠し球の出現は大きなプラス材料だ。今村自身、33人から28人に絞られる代表合宿を目前にして、気持ちが高まってきている。

 今村

 (ポジションは)関係ない。先発の人も、中継ぎをやることがあるわけだし。勝つためにやるだけです。

 高ぶる思いを胸に、今村は午後からジャージー姿で再びブルペンに向かった。「調子が良かったので」と感覚を染みこませるための、おかわりピッチング。午前中とは違って変化球を中心に80球を投げ込んだ。特に意識したのが、右打者の内角へのスライダー。初の国際大会に向け、シュートをより効果的に使うため、引き出しを増やそうとしている。計110球の投げ込みに、若侍も手応えを得た。

 今村

 左打者の外角には投げられるから大丈夫だと思います。(配球も)倍になるので。

 今日14日の紅白戦。2度目の実戦登板で、1イニングを投げる予定だ。新たな武器も試し、本番モードで合宿前最後の総仕上げを行う。「結果を残すだけ」。ヤング侍が、斬りつける準備は整っている。【鎌田真一郎】