大谷の穴は、俺たちが埋める。侍ジャパンのヤクルト山田哲人内野手(24)が、日本ハム大谷のWBC出場辞退を残念がった。沖縄・浦添キャンプ3日目の3日、一報を聞いた直後に、複雑そうな表情で心境を語った。「コンディションが悪いということで仕方ないけど、ショックです」。目標として言い続けてきた「世界一」への大きな試練に、少し言葉を詰まらせた。

 大谷の力を認めているからこそ、さらに気が引き締まった。「翔平はすごい投手で、すごい打者。いたほうが日本の勝つ確率は高かった」と言った。投打に大きな痛手となるが、下を向いてはいられない。「誰かが抜けても補えるチームにしないといけない。自分は任されたところで仕事をするだけ」と力を込めた。

 山田はこの日、シートノックやフリー打撃などで約6時間、汗を流した。「体中が筋肉痛」と苦笑いしたが、調整ペースは落とさない。「そのうち張りは取れるから、数も量もこなしていく」。WBC球を使用した特守は、今日4日にも開始する。「自分の力を出し切れるように調整して、(大谷の穴を)カバーするしかない」。史上初の2年連続トリプルスリーを成し遂げた男に、不可能はない。【鹿野雄太】