男は黙ってストライク! 侍ジャパンの権藤投手コーチがWBC合宿初日の23日、バッテリー陣に「世界のおきて」を伝授した。「あっちの審判は判定に『う~ん』と言うと、ストライクを取らなくなる。捕ったら、すぐに返せ、と言った。投手も『う~ん』とならないようにね」。捕手3人を呼んで方針を伝える念の入れようだった。

 日本では微妙な判定があると投手が顔をしかめたり、捕手が抗議の意味も込めてミットを動かさない場面もある。そんなリアクションはNOだ。方針の背景には助言ならぬ「ジョー言」があった。権藤コーチが以前、メジャーでも活躍した元阪神城島氏と話した際に特徴を聞かされたという。

 「向こうでは内に構えて外にストライクが来ても取ってくれない。だから城島は『内に構えるけど外に投げるよ』とか英語で審判に話していたらしい。狙って真ん中に行けばグッドコントロール、外れてコースに入ればグッドミスでいい」

 海外では日本以上に審判の権限が大きいといわれる。国際大会では神経質になり過ぎず、審判を味方につける必要がある。文句をつけるな! 珍指令を受け、牧田は「審判も人。そういうことをすると、ストライクをボールにしてやろうとなるかもしれない。次、次と切り替えたい」と納得顔。藤浪も「国際的にはよろしくないようなので、やらないように気をつけたい」と鉄仮面への変身を誓っていた。【佐井陽介】