昨年6月にプロレスラーを引退した長州力(68)のツイッターが話題を集めている。昨年12月末の開設以来、“ハッシュドタグ”“井長州力”など数々の珍ツイートでバズり続け、現在のフォロワー数は40万人超え。3月にYouTubeチャンネルを開設するなど革命を続ける長州力のSNSの秘密を、スタッフに聞いた。

長州力(2020年2月22日撮影)
長州力(2020年2月22日撮影)

長州力のツイッターは自由だ。「ところで源ちゃん(天龍源一郎)いますか?」と個人的なやりとりに使ったり、おにぎり、ヘビなど意味不明の絵文字も多用。解読できない面白さが話題となり、昨年12月の開設からわずか3カ月でフォロワー数は40万人を超えた。

その魅力について長州本人へのインタビューを申し込んだところ、NG。「谷やん」としてツイッターにも登場する谷口マネジャーに理由を聞くと、「ツイッターについていろいろと質問を受けると、『あれ?おかしいのかな?』と思ったり、自然なつぶやきができなくなるのではと危惧しています」と回答。代わりにツイッターを始めた理由など事情を教えてくれた。

「昨年6月に引退し、悠々自適に暮らしている中で、時間もあるしツイッターでもやってみようという本当に気楽な気持ちで開設しました。本人はツイッターのことなど知らないので、最初の頃は奥さんにLINEで文章を送って、奥さんからアップしてもらっていました。今年2月に沖縄に行った頃、自分でも投稿したいという感じになりまして、やり方をみんなで教えました。基本は本人→奥さんから投稿のスタンスでお願いしたのですが、我慢できないのか自分でも投稿し始めていきました。それが孫の全裸写真投稿事件につながっていきます。あれに懲りたのか、本人もかなり慎重になっていますね」。

「事件」が起こったのは3月11日。長州は孫由真くんの入浴写真を投稿。その股間が丸出しだったため、コメントが殺到し、数時間後にスタッフが削除した。その後、ブログを更新した長州は「うそだろ…まだ生後7カ月だぞ…!?」「規制だらけだな」と納得いかない気持ちをつづった。それでも長州の自由さは変わらなかった。翌12日には最大のバズりが起こる。ハッシュタグを間違え、「ハッシュドタグ」「井長州力」とツイートすると瞬く間に何十万もの「いいね」がついた。

3月には、コンビニエンスストアチェーンのファミリーマートから声をかけられたのを機に、YouTubeチャンネルも開設。元新日本で現在WWEのスーパースター中邑真輔との対談など長州独特の語りが楽しめるコンテンツをそろえ、登録者数は1カ月で3・7万人となった。

SNSで人気者となった今でも谷口氏らスタッフは長州の自由なツイートに目を光らせるが、「修正することはほとんどありません。しても、ほんの少し塩をかける程度です」。新型コロナウイルスの感染が広がる中、長州のSNSはまだまだ我々を癒やしてくれそうだ。【高場泉穂】


<長州力のツイッター用語と使用例>

▼セーブ…フォロワーの誤り。「なんだかセーブが突然増えてますね」(1月24日)

▼井…「ハッシュタグ」の記号である#を誤って漢字の井で表記。「井長州力」(3月12日)

▼ハッシュドタグ…「ハッシュタグ」の誤り(3月12日)

<登場する主な人物>

▼慎太郎…長女有里さんの夫、池田慎太郎氏。「慎太郎いますか?連絡ください!?」(19年12月27日)

▼正男…元レフェリーのタイガー服部氏

▼武田くん…ノア・グローバルエンターテインメントの武田有弘社長。「武田くん!正男は間違いなくニューヨークのトランプだよ!」(19年12月27日)

▼栗ちゃん…担当の美容師。「栗ちゃん、少しおくれるかもわかんない」(1月28日)

5月2日に発売される長州力の傑作ツイート集「いまどうしてる?」(ワニブックス)
5月2日に発売される長州力の傑作ツイート集「いまどうしてる?」(ワニブックス)

◆長州力(ちょうしゅう・りき)本名・吉田光雄。1951年(昭26)12月3日、山口県周南市生まれ。73年に新日本入り。74年8月8日のエル・グレコ戦でデビュー。84年12月に新日本を離脱し、ジャパンプロレス旗揚げ。87年に復帰。98年1月に引退も01年に復帰した。02年5月に新日本を退団。03年3月にWJを旗揚げも崩壊。その後、リキプロを設立。19年6月に引退。184センチ、120キロ。得意技はリキラリアット、サソリ固め。