関西ボクシング界の新たなスター候補となるか。兵庫県三田市が拠点の大成ジムが4月16日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で興行を行う。

メインはWBOアジアパシフィック・フライ級王者加納陸(25=大成)の初防衛戦。さらにWBC世界ユース・ライトフライ級王座決定戦に尾崎優日(20=大成)がプロ3戦目で臨む。

尾崎の相手は4勝4KO(1敗)のバオラブト・サラブタン(タイ)。丸元大成会長が「尾崎は必ず世界王者になる」と期待する逸材で、尾崎は「世界につながるチャンス。いい内容でKOしたい」と言った。

大阪・興国高でインターハイ2位、法大に進み全日本ライトフライ級で5位などアマで実績を積み、五輪を目指す選択肢もあったが「世界王者になることが小さいころからの夢」と大学を中退してプロの世界へ飛び込んだ。

おやじの夢を背負う。父次郎さん(51)も新日本木村ジムに所属したプロボクサーだった。バンタム級で6戦。ベルトへの夢が膨らみかけた時、地元の関西が大震災で被災した。家業などの兼ね合いから、夢は断念せざるをえなかった。

尾崎は2003年2月に生まれた。名付けられた優日(ゆうが)に父の思いがこめられた。「ボクシングで優勝する日。その願いでつけられたと聞きました」。父がかなえられなかった夢へ。その思いをしっかりと受け止めた。

ここまで2戦連続KO勝利と順調にプロのキャリアを積んでいる。身長168センチとライトフライ級(リミット48・9キロ)では長身。さらに下のミニマム級(リミット47・6キロ)も「世界戦のチャンスがあれば大丈夫です」と言うほど、体重調整を含め体格的に恵まれている。

今回の初タイトル戦が夢への入り口となる。「(プロデビューから)3年で世界王者になりたいと思っています」。ライトフライ級はWBAスーパー、WBC王者寺地拳四朗に元王者の矢吹正道ら日本選手の強豪がそろう。その中で父子の夢をかなえるべく、尾崎が殴り込みをかける。【実藤健一】

◆尾崎優日(おざき・ゆうが) 2003年(平15)2月18日、大阪府豊中市生まれ。小学1年からボクシングを始め、豊中五中から興国高へ。インターハイで2位となり、法大に進学もプロへの道を選択して中退した。昨年9月にプロデビュー。戦績は2勝2KO無敗。身長168センチの左ボクサーファイター。