日本ボクシング界の興行形態が加速度的に変化しそうだ。
英国のスポーツ興行大手「マッチルーム」が9月、東京都内で会見した。同社は楽天チケットなどと提携し、来年から世界最大級のボクシングイベントを日本国内で開催すると発表。その概要はいまだ不透明だが、個人的には「黒船」襲来と感じた。
思えば、少し前まで日本のボクシング界は「鎖国的」だったように思う。興行はジム単体の主催で、ビッグマッチにはそこにテレビの地上波がついた。あくまで国内限定のイベントだった。
近年はテレビの地上波が離れ、その業態は数年前から変革を遂げている。それを最も分かりやすく表現しているのが、3150FIGHTを主催する亀田興毅ファウンダー(36)だ。ジムの垣根を取っ払った「プラットフォーム」構想を掲げ、明らかな変革をもたらしている。
そんな変革の流れに「マッチルーム」の参入だ。規模的にいえば、仕掛けようと思えばそのレベルは計り知れない。日本のマーケットにそれほど魅力が潜んでいるということか。「マッチルーム」が仕掛ける具体策を心待ちにしている自分がいる。
古くは白井義男、ファイティング原田に具志堅用高、ガッツ石松…。最近でも“カリスマ”辰吉丈一郎に“モンスター”井上尚弥ら日本人のDNAとしてボクシングは熱い。
そこに世界的なプロモート会社も「商売熱」を感じて、乗り込んでくるのだろう。どのような仕掛けをしてくるのか。ワクワク感と狙いを見極める冷静な視点。その両方が必要と感じている。【実藤健一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)