寺や神社を参拝して「御朱印」を集める人が増えている。全国各地を回る力士もご多分に漏れず。小結嘉風は3月の春場所後から、京都を皮切りに回り始めた。ただ集めに回るだけではない。歴史や由緒などを調べてから行く。

 「(長野県の)松本城の近くにある『四柱神社』は願い事がかなうと言われているんです」。嘉風にとって、願い事は1つ。「家族が幸せであることだけ。家族が幸せ=自分の仕事も充実しているってことですから」。その効果がここ2場所、出ているのだろうか。 十両天風も「心が洗われる」と回る。2月には復興城主になった熊本城を訪れて、城を築いた武将・加藤清正をまつる「加藤神社」を参拝。その加藤清正の生誕の地の寺が名古屋市内にあると知ると「行ってみたい」と興味津々だった。

 8月23、24日に東京・お台場で行われる夏巡業ではそうした盛り上がりに応えてか、限定の“御朱印帳”を販売してサイン帳代わりに使ってもらうほか、行司が相撲字で記す“御朱印所”も設けられるという。

 地方場所では寺社を宿舎にする部屋も多い。まして、大相撲は神事。力士や行司のサインも、御朱印のようなものか。【今村健人】