「大相撲錦絵 日本相撲協会 相撲博物館コレクション」が昨年末、徳間書店から発売された。相撲博物館所蔵の錦絵(カラーの浮世絵木版画)3000点超を劣化防止のためデジタル化、同館学芸員が選んだ249点をまとめた。

 雷電為右衛門ら江戸時代の伝説的力士、興行、巡業の模様などを東洲斎写楽、喜多川歌麿ら名だたる浮世絵師が描いた逸品が並ぶ。見ていて時間を忘れそうだ。化粧箱入りのオールカラー画集(324ページ、A3判、48ページのB5判解説書と別刷り錦絵2点付き)。シリアルナンバー入り、150部限定の豪華版。ただ当然、高い。税別18万5000円。売れるのか?

 それが、売れた。発売1カ月弱。「数部」(同担当者)というから、1部ではない。「文化的意義優先で、150部売り切って、収支はとんとんです。とはいえ…ドキドキしてました」と同担当者は喜んだ。

 好角家が買ったのか? 歴女なスー女か? 芝田山親方(元横綱大乃国)は発売イベントで愛用のステッキを手に、こう話していた。「これは2万5000円だけど、私は5万円でも買う。価値観の問題。相撲好きには、値打ちがあると思います」-。好きな人は、きっと一生楽しめる。唯一の取扱店、銀座 蔦屋書店で見本を手にとって見ることができる。【加藤裕一】