相撲人気に比例して懸賞の本数が増加している。永谷園などのおなじみがあれば、その場所ごとに新規で出す企業もある。今場所、新規で懸賞を出した企業は7社。静岡・菊川市役所と菊川市茶業協会は合同で、初めて出した。

 緑色ベースの旗に白文字で「深蒸し 菊川茶」と書かれた懸賞旗が、結びから数えて5番前の取組に毎日1本懸かっている。指定力士に懸けたり、結びの一番に懸ける企業がほとんどの中、なぜなのか。同市役所の担当者は「その時が一番視聴率もいいと思うし、結びとかだと懸賞が多くて埋もれてしまうので。売り上げはまだこれからだけど、問い合わせは相当増えました。狙い通りです」と、PR効果は抜群だった。

 新茶の季節であり、懸賞を出すのは夏場所だけ。来年も予定している。「本当は静岡出身の力士に懸けたいんですけどね」と本音もポツリ。13年春場所の磋牙司(現幕下)を最後に、同県出身の幕内力士はいない。「来年はそれも楽しみです」と声を弾ませた。【佐々木隆史】