福岡出身で地元場所の琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)が、日本一になったプロ野球ソフトバンク内川聖一内野手(36)から刺激を受けた。2日目の12日。観戦に訪れた内川と、会場を去る前にがっちり握手を交わした。琴奨菊は「力をもらった」と感謝。内川から「日本一のバトンを渡したと思っている」と2度目の優勝を求められたという。

不定期ながら連絡を取り合う間柄だ。日本シリーズ開幕前日の10月26日。広島市内で平幕嘉風、ソフトバンク上林を交えて食事した。内川の「短期決戦は勝率5割以上が求められるけど、打率は3割で十分」という話にヒントをもらった。相撲は番付上昇に最低限勝ち越しが必要だが、野球はどんな好打者でも失敗が成功を上回る。そこから星勘定に頓着しすぎないことを学んだ。

さらに「会場の盛り上がりや演出は相撲も見習うところがある」とも言う。ヤフオクドームで行われた同月31日の日本シリーズ第4戦を一塁側で観戦し、スタメン発表の演出やイニングごとのMCは、取組ごとに間合いが空く大相撲でも参考になるという。「これからも長く付き合いたい仲だよね」。互いに刺激し合って、角界と球界を盛り上げていく。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)