大手回転ずしチェーン「くら寿司」が、今場所から大相撲に懸賞を出している。貴景勝、朝乃山、炎鵬を指定するなど、15日間通じて出し続ける。同社の担当者は「食を通じて健康を提供していくくら寿司が、スポーツでも人々の健康を応援していきたい」と説明する。昨年11月には本社がある堺市の野球場のネーミングライツを取得するなど、スポーツを応援する熱が高まっているという。すしと相撲は日本を代表する文化で親和性も高い。昨年には米国子会社が現地で上場。海外進出を図る機会に、大相撲の力も借りる。

コロナ禍で企業の業績は打撃を受け、今場所は懸賞が大幅に減少した。場所前の芝田山広報部長によると、今場所の懸賞申し込みは約1300本。近年の東京場所は、申し込み時点で2000本を超えることも珍しくなかった。

観客を入れ始めた今場所だが、まだ国技館の定員の4分の1ほど。「正直なところ観客が減る部分に関しては悩む部分はあった。ただ世間で『できない』『やらない』がまん延する中、観客数を減らしても工夫して開催に挑戦することを応援したい」と担当者。かつてない開催方法に挑む大相撲をバックアップする。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)