春場所後からのコロナ禍での自粛生活は、力士にさまざまな影響を及ぼした。

多くの力士が、体重の変化を口にする。ほとんどが「コロナ痩せ」で、中でも千代大龍は「春場所から20キロは落としました」と明かす。春場所後は193キロあった体重を172キロまで落としたという。減量方法は「本とか携帯で調べて、野菜中心の食生活にしました」。5月の夏場所が中止となり、約4カ月続いた自粛生活を有効活用。「動けるデブと言ったら変だけど、体が軽くなっていいっすね」としゃべりも軽快だ。

体を休めてケガを治した力士が多い中、魁聖は「コロナのせいで病院に行けなかった」とポツリ。いくら休みがあるとはいえ、病院で治療を受けないと治せないケガもある。しかし、通院すれば感染リスクは高まる。魁聖は6月に結婚したばかりで「古傷とか、あちこち痛くなるよ。でも周りの人に迷惑かけられないから」と話す。角界には糖尿病持ちが多く、容易に通院できない事情もある。

約4カ月ぶりの開催となった本場所。稽古場以外でも努力や苦労を重ね、力士らは土俵に上がっている。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

琴勝峰(左)を下手出し投げで破る魁聖(撮影・中島郁夫)
琴勝峰(左)を下手出し投げで破る魁聖(撮影・中島郁夫)