「鉄人」がまた節目の記録を迎えた。幕内最年長の36歳、玉鷲が通算連続出場を1298に伸ばし、飛騨乃花を抜いて単独8位に浮上した。

初土俵から17年間、1度も休場なく土俵に立ち続ける。師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「押す力は去年と比べて弱くなっているかもしれないが、気力でカバーしている」と、年齢にあらがう弟子を見守る。部屋の関取は玉鷲だけで力士は4人だけ。コロナ禍で出稽古が禁止となり、普段通り高田川部屋などへ出稽古に行けない状況で、師匠は「基礎(運動)をいつもの倍やっていた」と述懐した。

中川部屋の閉鎖に伴い、7月場所前に夫人の弟で“義弟”にあたる幕下玉正鳳が転籍してきたことも発奮材料。師匠は「かっこわるい姿を見せられないと思う。お互いに刺激し合っていますね」と心境を察した。

通常通り年6場所が行われた上で玉鷲が関取の座を守り続ければ、24年名古屋場所を皆勤して歴代1位の青葉城(1630)を抜く。そのとき39歳。初優勝した昨年初場所後には「40歳」までの現役を宣言していたが、大相撲に新たな歴史を刻めるか。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

▼通算1298回連続出場 玉鷲が記録。飛騨乃花を抜き単独史上8位で現役1位。史上1位は青葉城の1630回。