大関戦の有無に注目が集まっている。慣例通り出場最高位の照ノ富士が14日目に貴景勝、千秋楽に正代と両大関との対戦が続けば、両大関同士の一番が組まれないことになる。2人以上の大関が千秋楽まで出場しながら大関戦が組まれなければ、19年夏場所以来2年ぶり。1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降では2例目と珍しいケースになる(大関陣が同部屋の場合や「一門別総当たり制」だった64年以前を除く)。

2年前の夏場所は、平幕の朝乃山が西前頭8枚目の地位で平幕優勝した場所。高安と豪栄道の両大関が9勝止まりで賜杯争いに絡むことができず、割を崩す大きな要因となった。

横綱と大関の人数に違いはあるが、昭和後期や平成初期では、8~10日目に大関戦を組むケースは頻繁に見られた。白鵬の休場により今場所は1横綱2大関の陣容。番付の重みを重視するためか、今場所は終盤まで割を崩せなかった。取組編成を担う審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は「(大関戦が組まれない)可能性はある」と示唆。優勝争いの展開次第で、状況は変わっていきそうだ。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)