負けたら街で酒を飲んで験直し。勝ったら気分よく酒を飲む。そんな力士は多く、年に1回の地方場所なら味も気分も格別だ。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、力士らは1年半以上、本場所中の外食が禁止となっていた。しかし、世間の感染者数が低位置で推移しているのを受け、日本相撲協会は大相撲九州場所13日目の26日から、午後10時までに宿に戻るなどの制限付きで外食を許可。力士らは早速、思い思いに解禁日の夜を過ごした。

千代翔馬は、宿舎近くの焼き鳥屋に付け人と一緒に行った。その後、ラーメン屋にはしご。「いつもよりおいしかった」と久しぶりの本場所中の外食を堪能した。また、自身のリフレッシュはもちろんだが「やっぱり付け人を連れていってあげたかった。いつもお世話になっているので」と感謝を込めた外食でもあった。天空海は、九州は宮崎名物の「辛麺」に舌鼓を打った。「久々の現場はいいですね。我慢してたので。気分転換になりますね」と声を弾ませた。

一方、志摩ノ海は後援会関係者と食事をしたが「ずっと同じ生活リズムだったので体がびっくりした」という。寄り道や外食をしない生活に慣れ「それはそれで体調管理ができていた。自分と向き合う時間が作れていたので」とコロナ禍での生活が自身に合っていたことを実感。また、本場所中は何度か外食に行く程度だった琴ノ若は「この生活に慣れてあまり考えなくなった」と外食への欲が出なくなったといい、今場所の外食の予定はないとか。力士らは、外食解禁日にさまざまな思いを持った。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)