WWEのロウ女子王座の次期挑戦者に「かわいい系」として人気のリブ・モーガン(27)が浮上した。11月1日(日本時間2日)のロウ大会(米プロビデンス)で王座防衛した同王者ベッキー・リンチ(34)の眼前に登場し、バックステージで堂々とにらみ合った。第16回「WWEの世界」は、WWEと契約して7年が経過し、最高位シングル王座への挑戦権をつかもうとしているモーガンの横顔を紹介する。

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1日のロウ大会で、モーガンが動いた。「ザ・マン(超雄)」と呼ばれるロウ女子王者リンチとにらみ合い、次期挑戦者として名乗りをあげた。正式に決まれば、WWE女子最高位シングル王座への初挑戦となる。既にWWEファンからSNSなどで歓迎するコメントが多く寄せられ、機運が一気に高まっている。

以前、米メディアの取材でモーガンは「私とリンチのキャリアには多くの類似点があると感じる。長い間、彼女も苦労した。それが私のキャリアでもあったように感じる。自分自身を証明するように絶えず戦い、引っかき、かみつく。大きなブレイクアウトの瞬間を待っている」と先輩王者が歩んできた道を胸に秘め、チャンスを待ち続ける意向を示していた。リンチ挑戦の流れは運命的でもある。

14年にWWEと契約を結び、NXTで活動したモーガンは、17年11月からルビー・ライオット、サラ・ローガンとの3人ユニット「ライオット・スクワット」を組み、ロウを主戦場とした。「一生の姉妹」とも振り返る関係だった同ユニットが19年4月に解散となると、モーガンは同年12月からは主にシングル戦線で王座戦の好機をうかがってきた。「私は当然、ポジティブな人間。最善を尽くし、幸せになることを考える。王座戦に勝ち、称賛を得たいと思う限り、私は上しかみていない」とも心境を明かしていた。

米ニュージャージー州パラマスで生まれたモーガンは早くに父が他界し、母親のもと4人の兄、妹1人の6人きょうだいの環境で育ったという。兄と庭でのプロレスごっこが大好きで、元WWE女子王者リタがあこがれの存在だったそうだ。プロレスを始める前は、スポーツバー・チェーンの「フーターズ」のモデルを務めた経歴があるなどビジュアル的にも人気も高い。

「偉大なベッキー・リンチを知ることがブレイクアウトの瞬間を探すことになる。WWEのスターは間違いなく希望とひらめきが必要だが、私にもできると思っている」。モーガンが見据えるWWE最高位シングル王座獲得への道。20歳でWWEと契約を結んだかわいい系レスラーは大人の色気と自信に満ちあふれた王座挑戦者としての風格が漂う。まもなく王座挑戦が決定するだろう。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)

19年12月、女子シングル戦線に向かう直前にイメージチェンジとしてバスルーム姿を公開したリブ・モーガン(C)2021 WWE, Inc. All Rights Reserved.
19年12月、女子シングル戦線に向かう直前にイメージチェンジとしてバスルーム姿を公開したリブ・モーガン(C)2021 WWE, Inc. All Rights Reserved.
ロウ女子王者リンチとにらみ合った後、自らの公式SNSを更新したリブ・モーガン(モーガンの公式インスタグラムより)
ロウ女子王者リンチとにらみ合った後、自らの公式SNSを更新したリブ・モーガン(モーガンの公式インスタグラムより)