新しいタイプの総合格闘技イベント「巌流島」が開催された。キックボクシングやプロレス、相撲、柔道、空手など従来の格闘技に、アメリカンフットボールやブラジルのカポエイラ、中国の散打などあらゆるジャンルの選手が集結。直径8メートルの土俵状リングで、8人がトーナメントで戦い優勝を争った。

 第2試合では、大相撲の元十両星風が、アメフットのオービックシーガルズに所属する和久憲三と対戦。星風が、場外押し出し3度で1本のルールで快勝。その勢いで、決勝まで進んだ。和久は「初めて話が来たときは怖いなあと思ったけど、リングの上でぎりぎりの大会ができてよかった。やってみると楽しかった」と話した。

 優勝は、オランダのキックボクシング選手、ブライアン・ドゥウエス。決勝で星風にパウンドからパンチの連打で快勝した。試合中は、度々レフェリーと本部席で話し合いが行われ、ルールの適用が変更された。選手が土俵状のリングで戦ったのもこの日が初めてと、ドタバタのスタートだった。それでも、会場は1280人の超満員。トーナメントはすべてが1本で決まり、客席からも大きな歓声が上がっていた。

 過去にK-1を手がけた谷川貞治広報部長は「新しい格闘技をつくるのは難しいがメジャーにしていきたい。目標は年末に地上波で放送してもらう大会にすること」と話した。今年は6、7月などあと3回の開催を予定している。【桝田朗】

 ◆巌流島ルール 試合は3分3ラウンドで行われ、打撃やパウンドによるKOでの1本勝ちに加え、直径8メートルの土俵状のリングの外に、相手を3度押し出せば、場外押し出し3度による1本勝ちが与えられる。倒れた相手への頭部へのキックや関節技の禁止など、他の総合格闘技とは違うルールもある。ルールは、ファンが中心となってつくったもので、今回の「公開検証」をもとに変更もありえるという。