【米シカゴ17日(日本時間18日)=奥山将志】引退を表明したプロボクシングの元世界3階級王者亀田興毅(28)が、王座獲得に失敗したWBA世界スーパーフライ級王者河野公平(34=ワタナベ)戦から一夜明け、米シカゴ市内で取材に応じた。今後については、当面はボクシングとは距離を置き、実業家を目指していく方針をあらためて示した。帰国後の「サプライズ発表」も予告した。

 宿泊するホテルのロビーに現れた興毅は、すでに次の目標に向けて気持ちを切り替えていた。激しい打ち合いとなった試合の影響で、左目の上部に腫れは残っているものの、表情はさっぱり。今後については、実業家を目指していくと強調し「いろんな商売をやりたい。ボクシングと同じように、そっちの世界でもはいあがって、もっとビッグになる」と言い切った。

 試合直後の電撃的な引退表明は大きな話題を呼んだが、さらなるサプライズも予告した。詳細こそけむに巻いたものの「日本に帰ったら、あっと驚くような発表を考えている。楽しみにしといて」とニヤリ。リングから離れても世間に存在をアピールしていく構えだ。

 デビューから約12年。最後となった試合については「レフェリーに水を差された」と2度にわたるローブローでの減点に悔しさをにじませつつも「不細工でもいいから打ち合って、満足したかった。悔いはないし、やり切れた」と前を向いた。取材を終えて、写真撮影を求めると、思わずファイティングポーズ。「あ、もうせんでえーわ」と笑顔で突っ込み、拳を下ろした。今日19日に帰国する。