兄弟対決で注目の60キロタイトル戦は、兄の挑戦者・卜部弘嵩(26=K-1ジム・チームドラゴン)が弟の王者・功也(25=同)を3回KOで破り、2代目王座に就いた。

 宿命の対決は、兄・弘嵩が得意の膝蹴りで3回2分14秒にKO勝利を飾った。勝利の瞬間、弘嵩はリングに大の字になり、複雑な気持ちを表現した。起き上がると目には涙が。その後の認定証授与では、前田憲作K-1プロデューサーが証書を読み上げられないほどの感動を与えた。

 試合は2回に動いた。功也が左ストレートで弘嵩をぐらつかせ、左右の連打でコーナーに追い込んだが、そこで弘嵩の右跳び膝蹴りがさく裂、最初のダウンを奪った。そして、迎えた3回の接近戦で決着した。

 実は、弘嵩は試合前に右ふくらはぎの筋肉を断裂していた。「自分がけんかを売ってきたので、どんな状態でもリングに上がろうと思った」と、決死の覚悟だった。

 対する功也は、そんな兄の異変に気づき、「ミドル蹴れないな」と前に出たところを逆にやられた。「普段はもっと距離が取れたのに、気持ちが入りすぎた」と反省した。

 1月18日の王者決定トーナメント決勝では功也が3-0で判定勝利し、初代王座に就いたが、弘嵩が再戦を求めていた。それが今度は功也が挑戦する立場に。弘嵩は「チャンピオンとしてしっかり受けて立つ」と言葉に力を込めた。