藤岡奈穂子(41=竹原慎二&畑山隆則)が同級2位イサベル・ミジャン(メキシコ)に10回21秒TKO勝ちし、男女を通じて日本選手初の世界4階級制覇を達成した。2回にダウンを奪うと、最終10回の連打でレフェリーが試合を止めた。戦績は藤岡が18戦16勝(7KO)2敗。

 怖かったのは試合後だけだっただろう。勝利のリングで高く高く肩車してもらったのは、ジムの名誉顧問を務める俳優の吉川晃司。182センチの長身に担がれ、「高かったです」といつもとは違う勝利の景色に、おっかなびっくり喜んだ。

 身長差9センチを意に介さず、鋭い踏み込みで懐に侵入。終始、強打を打ち込んでペースをつかんだ。2回にはカウンターの左フックを顔面にぶち込んでダウン奪取。一気に試合を決めるかと思いきや、大振りしながらも立ち続けるミジャンに「骨のある相手だった」と10回まで粘られたが、最後は10回に連打で仕留めた。 日本人初の4階級制覇にも「実感はない」と言う。ただ、続けたのは覚悟の言葉。「女子は取りやすいと思われたくない。しっかりした、質の高い試合をしないと」と責任感が口をついた。今後はライトフライ級での5階級制覇に挑んでいく。