元WBO世界ミニマム級王者で現同世界ライトフライ級王者の田中恒成(21=畑中)が、同級1位アンヘル・アコスタ(26=プエルトリコ)と5月20日に愛知・武田テバオーシャンアリーナで初防衛戦を行うことが28日、名古屋市内で発表された。

 昨年12月31日に井上尚弥と並ぶ日本最速デビュー8戦目で2階級制覇を達成した田中だが、アコスタも“怪物”だ。ハードパンチャーで、戦績は16戦16勝16KOというパーフェクト・レコード。プエルトリコに本部を置くWBOが送り込む「最強の刺客」と言って間違いない。しかし、田中には望むところ。「この相手なら、ずっとやりたいと思っている統一戦と変わらない、かなりおもしろいカードになる」と喜んだ。

 田中は2月26日にプエルトリコで行われた、自分への挑戦者決定戦を畑中清詞会長(50)と現地観戦。アコスタの強打を目の当たりにした。「予想はオレのKO勝ちですが、どちらにしてもKO必至の戦いになる。パンチが強いだけじゃなく、カウンターもある。過去最高の相手ですね…オレにたいした過去はないけど」とおどけながら、その実力を認めた。ただ、その試合でアコスタが序盤にダウンを奪いながら、試合が終盤にもつれこんだときは「頼むから、倒してくれよ」と心底願ったという。

 パーフェクト・レコードの怪物を退けてこそ、初防衛の値打ちがある。思いは、その先のライトフライ級統一戦プランに飛ぶ。「これで勝てば、堂々と大々的に統一戦をアピールできますから」と田中。ターゲットはWBA同級王者田口良一(30)とIBF同級王者八重樫東(34)だ。畑中会長も「日本にライトフライ級王者は多いけど、誰が一番強いんか? 全国のファンにそれを見てもらいたいと思います」と、田中の防衛に自信を見せた。