ボクシングのIBF世界スーパーフライ級3位、帝里木下(ている・きのした、31=千里馬神戸)が8日、神戸市役所で世界タイトルマッチの発表会見に臨んだ。7月2日にブリスベン(オーストラリア)のサンコープ・スタジアムで、同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に挑む。メインカードにはWBO世界ウエルター級王者マニー・パッキャオ(38=フィリピン)の初防衛戦が組まれている。

 2度目の世界挑戦になる帝里にとっては、これ以上ない舞台だ。14年7月にIBF同級1位ゾラニ・テテ(南アフリカ)相手に、日本初となるホテル(神戸ポートピアホテル)で行われた世界戦でベルトを狙ったが、判定負けを喫した。現在の戦績は27戦25勝(8KO)1敗1分け。キャリア唯一の黒星を「それまでうまいこといきすぎていた。前はボクサーとして、最高の舞台(世界戦)に立つ覚悟がなかった」と振り返る。

 今回の会場は5万5000人収容で、03年のラグビーW杯でも使われた。元日本代表FB五郎丸歩が16年に所属したスーパーラグビー・レッズの本拠地でもある。絶大な人気を誇るパッキャオがメインを務め、世界中の注目が集まる舞台。アジア以外の国へ向かうのは初めてという帝里だが「僕にとっては、国内でも国外でも関係ない。コンディション作りが全て。大観衆の中で必ず勝ちたい」と力を込めた。

 この日の会見は、神戸市役所での開催となった。普段は市政担当記者が仕事をする一室に、ボクシング関係者が集った。ジムの千里馬啓徳会長は「市役所での会見は珍しいですが、神戸市とブリズベンは姉妹都市。神戸市をボクシングで、もっと盛り上げたいと思う」と意図を説明。28戦26勝(17KO)1敗1分けのサウスポーを倒せば、帝里の人生が変わる。