【米ロサンゼルス12日(日本時間13日)=阿部健吾】ボクシングのWBC世界スーパーフェザー級タイトル戦は15日(同16日)に米カリフォルニア州イングルウッドで開催される。元王者三浦隆司(33=帝拳)はこの日、現王者ミゲル・ベルチェルト(メキシコ)とともに公開練習に参加。返り咲きを狙う大一番の行方は? 間近で見てきた帝拳ジムの後輩、村田諒太(31)がボクシングマニアならではの視点で鋭く語った。村田は試合を生中継するWOWOWでゲスト解説を務める。

 <1.ベルチェルトの特徴>

 ワン、ツー、スリーの連打で打つ。右、左ときて最後に左のジャブを返してくる。あれが厄介です。3つ目を深く踏み込んで、押し気味に打って顔面をはね上げられる。やられると嫌なものです。重心が崩れたまま打ち返そうとするとバランスも崩し、パンチに体重が乗らない上にスタミナを失う。それでペースを握られる。あの展開には持っていかせたくないですね。3つ目にカウンターを合わせるにしても、つなぎが早い。独特のタイミングにはまらないようにしないと。

 <2.勝負の鍵>

 ベルチェルトはサウスポーとの対戦経験がほとんどない。そこが肝です。オーソドックス(右構え)の場合は対角線上にいるので3つ目のジャブを当てやすいけど、サウスポーだと右手が前にあるので距離が近く当てにくいはず。従来の戦い方が通用するかどうか。ましてや相手が三浦先輩。安易に飛び込むとボンバー(左のパンチ)が待っている。面白い試合になると思います。

 <3.結果予想>

 中盤から終盤にボンバーさく裂。やっぱり左ストレートでしょう。バチンと決まって、ベルチェルトが倒れる。立ったところを追撃、レフェリーがストップしてTKOですね。僕は三浦先輩の一ファン。本当に尊敬しています。「僕も、もっと練習しなくちゃいけない、考えてやらなくちゃいけない」という気にさせてくれる。練習に真摯(しんし)に向き合っているし、周囲の人にも紳士だし、ボクサーのかがみで侍のような人。ケガなく、いい試合でタイトルを取ってくれることを願っています。ボンバー!!