ボクシングのダブル世界戦は今日23日に東京・大田区総合体育館でゴングが鳴る。IBF世界ミニマム級9位で王座初挑戦の京口紘人(23=ワタナベ)は22日に会場で調印式と前日軽量に臨み、リミットの47・6キロでパス。47・1キロで4度目の防衛戦を迎える王者ホセ・アルグメド(メキシコ)に向き合い「打ち勝つ。インパクトの残るKO勝利が理想」と自信と闘志をみなぎらせた。

 狙いは「低空ダイナマイト」。頭を下げた前傾姿勢からのパンチが多い王者の、その下を突く。井上トレーナーは「下の下。そこからボディー、アッパーで崩す」と照準を定めた。京口の愛称は「ダイナマイト・ボーイ」。最軽量級では際立つ7勝6KOの強打を低い姿勢から爆発させる。

 当人も直伝ボディーで仕留める気満々だ。中学生時代、辰吉丈一郎から教えを受けた。96年WBC世界バンタム級タイトル戦でシリモンコンに放った起死回生の左ボディーを映像で目に焼き付けており、「自分も」と期す。勝てばデビューから1年3カ月、日本最短記録での戴冠になる。「案外冷静かも」。勝利のリングでの喜び方を思い描き、着火の時を待つ。【阿部健吾】