「ロックスター」中邑真輔(37)が、日本人初の快挙に挑むことになった。

 WWE看板選手ジョン・シナ(40)とのWWE王座挑戦者決定戦を制し、PPV大会サマースラム(20日、米ニューヨーク・ブルックリン)で同王者ジンダー・マハル(31)に初挑戦する。中邑が「ジョン・シナを越えた今、次の夢の対決はサマースラムだ」と表現する通り、日本人レスラーにとってWWEヘビー級のベルト奪取は「ドリーム」と言っていい。

 前身となるWWWFヘビー級王座には、64年にジャイアント馬場が、当時の王者ブルーノ・サンマルチノに挑戦。ストロング小林も王者サンマルチノに挑んだ。80年にはキラー・カーンがWWFヘビー級王者ボブ・バックランドに挑戦している。現在も国内マットで活躍するTAKAみちのくがWWE王者トリプルHに挑戦。03年にはTAJIRIもトリプルHの保持するWWEヘビー級王座に挑戦したものの、いずれも王座獲得はならなかった。

 特にTAJIRIはWWEタッグをはじめ、WWEクルーザー級、WWEライトヘビー級を獲得するなど日本人でもっともWWEでタイトルを獲得したレスラーだった。それでもWWEヘビー級王座には届いていない。中邑のWWEヘビー級王座挑戦は、日本人レスラーが長年、阻まれてきた高い「壁」へのチャレンジでもある。

 中邑は、特別座で「インドの怪人」と呼ばれる現WWEヘビー級王者王者ジンダー・マハル(31)が視察する中、シナに快勝した。サマースラムまで約2週間半、まずは中邑がマハルとどんな「前哨戦」を繰り広げるのかが見ものだ。