大仁田厚(59)の分身グレート・ニタが10日、東京・台場に出現した。

 ニタは口から深海の水をプハーッと吹きだして水面に浮上したが、その右手には一回り小さな手が握られていた。するとニタに続き、真っ赤な顔で左ほおに「邪」と書かれたニタそっくりの女の子が、水面に浮上してきた。2人は、並んで深海の水を口から噴水のように吐き出した。

 ニタは「東シナ海で、プラプラしていた妹を引っ張ってきて、東京湾に戻ってきた。腹違いの妹グレート・タムだ」と説明。グレート・タムは過去、大仁田と合同プロデュース興行も開いた“かわい子ちゃんレスラー”中野たむの分身とみられる。

 ニタは、これまで日本語を話すことが出来なかったが、27日に東京・新木場1st RINGで開催する「さよならグレート・ニタ新木場大会」で最後の姿を披露するにあたり、日本のファンのために日本語を覚えてきたという。「最後だからな…ニタ。俺もバカじゃない(から日本語を覚えた)」と胸を張った。

 ニタは今回、ハワイ沖から太平洋を渡って東シナ海に向かい、タムを連れて北上したという。「東京湾のボラはマズい。ハワイ沖のマグロは、うまかった。東シナ海には、サンマがたくさんいた。しちりんで焼かないと、おいしくない」などと好物の回遊魚について面々と語った。タムはニタを通じ「東シナ海の魚はうまい」と笑みを浮かべた。

 ニタは台場の海から出た後、新木場での試合のカードを自らの口で発表。ニタ、タム、落武者橋本組対ジーザス矢口、寧々∞D.a.i、怨霊組の6人タッグマッチで“今世紀最後の魔界対決”と題した。

 ニタとタムが突然、海から出現したのを目の当たりにした、お台場海浜公園に来ていた海外からの観光客も驚いた。中国人観光客はスマートフォンを一瞬、かざしながらも異形の2人を、まじまじと見詰め「触らぬ神にたたりなし」と言わんばかりの表情で、関わることなく静かにその場を後にした。迫り来るタムを見て、逃げ惑う子どももいた。その様子を見たニタは、笑みを浮かべて満足そうに立ち去り、どこかに姿を消した。【村上幸将】