WWEヘビー級王座に初挑戦した中邑真輔(37)が王座獲得に失敗した。「インドの怪人」と呼ばれる王者ジンダー・マハルに挑戦。得意の蹴りなどで試合を優位に進めたが、乱入した王者側の仲間を蹴散らした後のスキを突かれ、敗れた。日本人初のベルト獲得とはならなかったが、看板興行の「スマックダウン」初登場から約4カ月で頂点にあと1歩までたどり着いた。

 世界最大のプロレス団体WWEでの中邑人気はすさまじい。傘下のNXT時代から登場が待ち望まれ、今年4月に「スマックダウン」に昇格。WWEは世代交代の時期に差しかかっており、看板レスラーのシナやレスナーらに続く新たなスターとして迎え入れられた。初登場からわずか4カ月での、日本人約13年ぶりのWWEヘビー級王座挑戦は期待の証しだ。

 欧米で絶大な人気を誇るWWEは新たな市場としてアジアに目を向けている。そんな中で今年5月には、「インドの怪人」マハルが王者となった。しかし、新日本時代から、そのカリスマ性やプロレス技術が高く評価されてきた中邑の人気は、すでにマハルをしのぐほどとなっている。9月16日にはWWEの大阪公演がある。アジアでの人気をけん引していくためにも、中邑の王座獲得の機運が高まっていると言っていい。【桝田朗】

<中邑の「スマックダウン」昇格からの経緯>

 ◆衝撃デビュー 5月20日、シカゴでのPPV大会「バッククラッシュ」で公式戦デビュー。元ヘビー級王者ジグラーを撃破。

 ◆抜てき 6月18日のPPV大会「マネー・イン・ザ・バンク」で開催された王座挑戦権争奪戦の出場6人に抜てきされる。最後はAJスタイルズと争うが、コービンに横取りされた。

 ◆高評価 7月25日のバージニア州大会でコービンに勝利。ブライアンGMが、中邑と看板選手のシナとのWWEヘビー級王座挑戦者決定戦を発表。

 ◆挑戦権獲得 8月1日のオハイオ州大会で王座挑戦者決定戦に臨み、シナをキンシャサ(ボマイェ)で撃破。初のWWE王座挑戦権を手にした。

※すべて米国時間