WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、9日(同10日)の同級7位アントニオ・ニエベス(30=米国)との6度目の防衛戦に向け、ロサンゼルス近郊のジムで練習を公開した。注目の米デビュー戦を前に、同じアジアから世界の舞台に駆け上がった元5階級制覇王者ノニト・ドネア(34=フィリピン)もエールを送った。

 イノウエは本場で飛躍できるか-。アジア人初の5階級王者ドネアは、井上の米国挑戦を「ベストタイミング」とみる。「昔と違い、米国は重量級だけではない。軽量級でもトップになれる。テレビなら、大きい選手も小さい選手も変わらない。一発当たれば倒れる大味な試合より、速さ、手数が多い軽量級の方が、視聴者も楽しい。今度も最大手HBOが中継するね」。当人は2番目に軽いフライ級で07年に世界王者となり、7年間でフェザー級まで制覇。「注目度は次第に大きくなった」と振り返る。

 14年末には井上を指導し、実力は分かっている。「パッキャオと比べられるだろう。米国のファンもエキサイティングな試合を見れば、同じ部類に入る選手だと分かる」と期待は最高級だ。「KOを狙うと重圧になる。狙わなくてもスピード、パワーがあれば倒せる」と心得を説いた。