アントニオ猪木(74)が14日、都内で10月21日に東京・両国国技館で開催する「INOKI ISM.2 猪木劇場~アントニオ猪木『生前葬』~」発表記者会見を開いた。猪木の主な一問一答は、以下の通り。

 猪木 元気ですかぁ~! 元気があれば、あの世の旅も楽しめる…どうかなぁ(笑い)だいぶ前に、生前葬をやろうよという話があったが、そのままだった。急きょ、この話が盛り上がった。何年か前にジャイアント馬場さんが亡くなられて。リングの上で、いつも私がジャイアント馬場に挑戦していたんですが、理由を付けて逃げ回っていた。そうしたら、ある日「挑戦状を受ける…さんずの川で待っている」と。さんずの川まで行くには、ちょっと早いな。そろそろ、いつ迎えに来てもいいかな…。今年は2人、兄弟が旅立ちまして。1つには世の中が高齢化で、高齢化が悪いとは言わないんですが、その中で生きている限り、元気であって欲しいと思いながら。私の場合は、16歳の時にブラジルに移民して、パナマ運河を越えてクリストバルの港で元気だったじいさんが、バナナが元で亡くなりました。戦後初めて水葬になった…それは後で知った話ですが、その中で人の死、別れというのは寂しい。最初の娘も飛行機で急変して亡くした。いつ、何がきても、その日までは元気で頑張って戦っていきたい。(中略)今回、格闘技に、もうちょっと元気を出してくれよと。皆さんが私に期待してくれるのは大変ありがたいが、選手が元気でいい試合を見せてくれないと困ります。(中略)ジャイアント馬場からの挑戦状が届き、今回は、そろそろ受ける時期に来たのかな。「挑戦状を受ける…さんずの川で待っている」。さんずの川まで行ったら、戻ってこられないのかな? と思って、あるプールでターンの練習をしています。泳ぐの好きなんで…私のパフォーマンスで、プロレスファンを含め、世の中の皆さんが元気になってもらえればいい。

 -生前葬のアイデアのきっかけは

 猪木 よく、ひらめくんですよね。誰かのひと言から、ひらめく。昔は、あそこに行くぞと言ったら、その場にいたくらい。今は考えて、しばらくして、よっこらしょと立ち上がらないといけない。今回は1カ月くらい前に、そんな話がありネットを調べてみたら過去、生前葬をやられた方の名前があった。水の江滝子さんとか、仰木彬監督、ビートたけしさん、これは番組だと思うけれど桑田佳祐さん、SMAPも。最近、ボケてきてねぇ…。

 -生前葬…死を予感することがあった

 猪木 2人、兄弟が亡くなって…心臓系のあれで、兄貴もその下も。俺も、この間も羽田に着いた時の記者会見で、やっぱり、ちょっと息切れが出てきたことがあった。ちょうど、平壌に行った時に話をしたら、生前葬という発想がなかった。日本くらいかな?

 -スタン・ハンセン、タイガー・ジェット・シン、ドン・フライ、藤原喜明といった往年の好敵手も参列する。何をする

 猪木 いろいろな選手と交渉しているようです。何せ、時間が短かったということもあります。急いで、これからやらないといけない。興業屋として、どの会場をいっぱいにしないといけない。まさか、この年になって、切符売りをしなければいけない。マッチ売りの少女はかわいいけど、切符売りのおじさんはかわいくない。当日、出来れば面白いことをさせていただければと思います。

 -力道山さんのひ孫について、もう少し詳しく

 猪木 2年前に(北朝鮮の)柔道の練習場で紹介された。先のことですから、どうなるか分からない。今は16歳…東京五輪の頃には19、20歳になる。そういう意味では、北朝鮮でも力道山の名前は知られている。日本でも、皆さんに興味を持ってもらえると思う。

 -拉致被害者が帰ってきて14年。拉致被害者を戻すための行動は

 猪木 行くたびにその話はします。ただし、もう解決済みという話を言われる。圧力と対話が、今は圧力に変わってきた。(北朝鮮側は)日本政府や拉致被害者の動向を見ていると思います。拉致被害者の家族の方は、米ワシントンに行かれているんですかね。横田めぐみさんのお母さんが、モンゴルでめぐみさんの子どもとお会いしたんですよね。1番、お母さんが我々以上に知っているんだと思う。拉致問題については(被害者家族に)常に呼び付けられて「対話の中で、どう解決するか?」と言ったら「とんでもない。そういうことを言ってもらっては困る」と言われる。どちらがどうこうは別にして、それぞれの立場があるから、指をさすのは気を付けようと。それが早く帰国するために、解決を早くすればいい…そのための(方法)。

 -生前葬に北朝鮮の友人を呼ぶと言ったが出席予定は

 猪木 帰る時に「ぜひ、招待いただければ、喜んで参加しますよ」と。何人かの人に、話はしております。(政治の世界には)表と裏があるのは、しょうがない。私は出来るだけ表と裏がないようにしているが、どういう形にすれば1番いいのか模索する中で、北朝鮮はいろいろ検討されていると思います。

 猪木は最後に「さっき言い忘れたんですけど、ジャイアント馬場とさんずの川でバトル。いつも、俺は絶対に100%、勝つ自信があるんですけど、今回は100何十パーセント。なぜかと言うと…足がないからです。十六文キックを食わなくて済むからね」と言い、笑い飛ばした。【村上幸将】