スーパータイガー(リアルジャパン)が、第12代王者の船木誠勝(48=フリー)を9分24秒、タイガースープレックスで破り、13代王者に輝いた。

 前半から船木が巧みなグランドで主導権を握ったが、一瞬が試合を分けた。試合の中盤、1度は右の蹴りを放とうとしたスーパータイガーが、切り返して放った左の蹴りが、船木の右こめかみ付近を直撃した。

 スーパータイガー 止められると思って一瞬(切り返した)あそこがポイントだったと思うんですよ。普通に右にいったら、やられていた。(船木は)起き上げる時に硬直していたので相当、入ったなと。

 船木 フェイントの蹴りは、全く気付かなかった。こっち(右の蹴り)だとばかり思っていましたから、こっち(左の蹴り)にくるとは思わなかった。ビックリした。プロレスに対する本気を感じました。すごくうまくなった。

 スーパータイガーは、ロープ際で船木がハイブリッドブラスターにいこうとしたところを背後にかわし、逆に投げっぱなしジャーマンでマットにたたきつけた。そして、チキンウイングからのタイガースープレックスで船木をマットに沈めた。船木はしばらく、立ち上がれないほどのダメージを受けていた。

 2人の対戦は、15年9月18日にスーパー・タイガーの王座に挑戦した船木がハイブリッドブラスターで勝ち、フリー転向後、初のベルトを獲得して以来、2年ぶりだった。

 船木は蹴り、ジャーマン、タイガースープレックスを連続で浴び、ダメージを受けた右頭部に氷を当て、痛みに顔をゆがめた。「緊張していました…2年ぶりだったんで。今日は自分の組み立てがバラバラだった。言い訳ですけれど、すぐにロープに届くように、場所が悪かった。それは呼吸が乱れているから」と反省した。過去、同王座は15、16年、17年と3度獲得したが、いずれも初防衛に失敗している。「今日は集中力がダメだった。次、もう1回。コンディションを保てるうちは本当に、今回だけは、もう1回…1回は防衛したい。正直、次は負けない。今日の教訓はほとんど思い出せる。狙いますよ…完封されていないので」と再戦を熱望した。

 スーパータイガーは「僕も、もう1つ、2つ、3つ、4つ…5つくらい高みにいって、すぐとは言わずとも船木さんとは何回もやっていい。僕も何回でも変わって『もう、いいよ、タイガー』と言われるくらいになる」と船木との“名勝負数え歌”実現を熱望した。【村上幸将】