ボクシングのIBF世界スーパーバンタム級王者になった岩佐亮佑(27=セレス)が18日、待望のフェラーリを手に入れた。千葉・柏市内で自動車部品メーカーLYZERを運営するワールドウイング中川貴之社長(33)から、王座獲得へのご褒美として贈られた。この日に備えてフェラーリが描かれたTシャツを4000円で購入してきた岩佐は「モチベーションの1つだった。あこがれの宝物。2つの夢がかなった」とご機嫌でエンジンを吹かした。

 岩佐は大の車好きで、18歳で免許を取得するとすぐにセルシオを購入した。その後は「日本王者になってベンツに乗る」を目標にして実現した。今回も練習中は「苦しい時はフェラーリと叫んで練習した」。世界戦でも5回に小国のペースになりかけると、インターバルでフェラーリを思い出し、6回に再び攻め立てて仕留めた。「これで頑張れた。このニンジンはでかかった」と振り返った。

 中川社長は5年ほど前からジムのスポンサーになり、2年前の英国での世界初挑戦にも現地へ駆けつけた。今回の世界戦が決まると、食事をした際に勝てばプレゼントを約束していた。「次負けたら運転手でもやってもらう」とさらに奮起を促した。

 3000万円相当だが、岩佐が住むマンションの家賃は月6万円という。駐車場などの維持費も高額となるだけに「家賃を下げるかも」と笑わせた。「維持していくことが、またモチベーションの1つになる。必死でベルトを守っていきたい」と誓っていた。