ボクシングのロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級1位村田諒太(31=帝拳)が異例の「抜てき」を受けることになった。ベストセラー「超訳 ニーチェの言葉」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の表紙帯に起用され、今月17日から店頭に並ぶことになった。19世紀ドイツの哲学者ニーチェの言葉を収録した同書は、10年に発行され累計部数は188万部を超え、哲学書として異例の大ヒットとなっている。

 村田は、父誠二さんの影響で日常的に哲学書を読み、同書も発売直後に手に取り、競技に役立ててきた。「戦う哲学者」とも称される読書家に白羽の矢が立った形だ。帯では「ニーチェのイメージが変わる一冊。生きる希望に満ちあふれた言葉の数々を、ぜひ受け取ってください」と記した。

 今月22日には王者アッサン・エンダム(フランス)との同級タイトルマッチが控える。5月の王座決定戦では物議を醸す判定で敗れた相手との直接再戦。哲学からも力をもらった結晶を勝利で見せる。