新日本プロレスのユニット「ロスインゴベルナブレス・デ・ハポン」の内藤哲也(35)高橋ヒロム(27)がこのほど、海外遠征先となるメキシコ市の中心部で日刊スポーツの取材に応じた。同地の団体CMLLで誕生したロスインゴベルナブレス(制御不能なヤツら)。同マットで本家のルーシュ(29)と再合流し、本家が展開する新メンバー勧誘にも手を貸すなどさらなるメンバー増強の動きもみせた。

    ◇    ◇    ◇    ◇ 

 リーダーの内藤にとってユニット加入イヤーの15年以来、約2年ぶりのメキシコとなる。

 内藤「ボクの人生を変えたリングであり、ボクの人生を変えてくれた仲間達のいるリングなので久々ではありますが、戻ってきたな、戻ってこれてうれしいなという感想ですね」。

 武者修行から凱旋(がいせん)帰国した16年秋以来のメキシコとなった高橋も気持ちは同じだった。

 高橋「気持ちいいですね。完全に俺の中でターニングポイントなので、メキシコにきたっていうのは。まあ相手に(メキシコ時代のライバル)ドラゴン・リーがいなかったというのは残念でしたが、本当に気持ちいいリングです」。

 もともと内藤は高橋裕二郎と結成したユニット「NO LIMIT」として09年に約8カ月間、CMLLで暴れていた。メキシコでの認知度は高く、ファンからも大コールが起きた。

 内藤「ボクが長期間でメキシコにいたのは09年なんですけど、その時もメキシコで一生懸命プロレスしてましたから、こうやって久々に帰っても『ナイトウ』といってもらえるのはボクの財産だと思います。そしてメキシコで生まれたロスインゴベルナブレスというチームに2年前、加入したんですけど、それがすごく大きかったなと。このロスインゴベルナブレスがあるから、ロスインゴベルナブレスに入ったから、こうやって簡単にメキシコに帰ってこれる。このCMLLのリングはホームみたいなもの。久々に実家に帰ってきたみたいな気分」。

 CMLLマットで高橋はカマイタチのリングネームで活躍していた。

 高橋「覚えていてくれるのはうれしいですよね。多分、カマイタチのイメージが強いんですよね。『ヒロム高橋』というのは、まだ知られていないと思うので、やっぱりプログラムにもカマイタチって書いてあるわけじゃないですか。やっぱりカマイタチっていうのはデカかったのかなって、それを見て感じました」。

 メキシコで同ユニット創設者のルーシュと再合体した意味は大きい。

 内藤「ボクの中での1番の目的は今日の試合に勝つこと負ける事ではなく、日本のロスインゴベルナブレス・デ・ハポンとメキシコのロスインゴベルナブレス、この2つが一緒にリングに立つことが重要だったわけで、ロスインゴベルナルベスとロスインゴベルナルベス・デ・ハポンが一緒に戦ったと、そこが1番重要だった。我々の戦っている姿をお見せできたので、勝敗に関しては意識していませんでしたね。とりあえず我々の試合をメキシコのお客様に見ていただけたことが大きかった」。

 日-墨をまたいだユニットには、さらなる強固な「橋」がかかったようだ。

 内藤「2年前にも交流は実施しましたし、メキシコのロスインゴベルナブレスが日本に来て合体したこともありましたけど、しばらく1年近くなかった。今後の方向性とか試合以外でもいい話し合いができたら。そういう意味でたった1試合ではありますけど非常に意味のあるCMLL遠征だったなと」。

 高橋「オレは単純に楽しむためにきたんで。ただルーシュからTシャツを受け取ったのは素直にうれしかった」。

 大地震に見舞われたメキシコのファンにもエールを忘れない。

 高橋「楽しもうと思ってくれていることが変わらない、地震があったことを感じさせない強さっていうのは、こっちの人はありますよね。本当に地震があったのかな、と勘違いさせられるくらい1人1人みんな元気で応援も力強いじゃないですか。自分がメキシコにいた頃と何一つ変わらない声援だったので、だから好きですね。1人1人が強いな、っていうのが自分の中でのメキシコです」。

 ユニットの発祥の地メキシコでファンからの声援を浴び、後押しの空気も感じながらエネルギー充電もできた様子。来年の1・4東京ドーム大会では、内藤がIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)に挑戦。高橋もIWGPジュニアヘビー級選手権試合4ウェイ戦に挑む。大舞台でのタイトル戦を備え、原点回帰した心身で再び新日本マットに戻ってくる。