プロレス人生7回目の引退をした大仁田厚(60)が29日、都内でニッカンスポーツコムの取材に応じ、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)へ暴行を加え、負傷させた大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が引退したことについて持論を展開した。

 まず日馬富士の引退について「暴力は良くないことだと思う。愛のむちの度が、ちょっと過ぎたかな」と語った。一方で「俺らプロレスにも、かわいがりはあったわけじゃないですか。俺もボコボコにされたけれど、それはけいこ場の話。今回は(けいこ場でない場所での暴力で)世論がこれだけ暴力悪しと容認しない方向になり、協会側も責任問題にせざるを得なかったのでは? でも、引退は少し重いでしょう」とも語った。

 日馬富士の引退を受けて早速、総合格闘技RIZINが興味を示しているが「プロレスラーにとって最高の素材ではあるけれど…。モンゴルで支持を得ていると言うし、人当たりの良さもあるから、実業家を目指した方がいいのでは」と提言した。

 大仁田は、知人が日馬富士の後援者という縁で接点があり、2カ月前に都内で会食したという。その際、日馬富士は「九州場所で優勝したい」と意気込んでいたといい「意欲満々だった」(大仁田)という。日馬富士は会食の際、酒を飲んだが、1杯程度で「あいさつもきちんとするし、礼には礼を尽くすタイプ。飲んだけれど、乱れることも全くなかった」と振り返った。その上で、大仁田は「引退は、寂しいね…」と、しみじみと語った。【村上幸将】