新日本プロレスの鈴木軍で活躍するタイチ(37)が、15周年記念スペシャルマッチで内藤哲也(35)と対戦した。

 超満員の観衆のタイチコールと内藤コールが館内に響き渡り、2人は大熱戦を展開。タイチのこん身のハイキックやアックスボンバーが新日本で大人気の内藤を追い詰め、会場のボルテージも頂点に達した。

 しかし、プロレス巧者の内藤は、逆境から得意のデスティーノで逆転勝ち。24分31秒の熱戦に決着をつけた。勝利した内藤は、会場の観衆とロスインゴベルナブレス・デ・ハポンの大合唱。

 タイチはリング上に長々と伸びていたが、TAKAみちのくに促され、珍しくマイクを握ると「こんなに入るもんだな。オレが初めて新日本に来たときに、会いに来てくれたのが内藤だった。そのときに内藤から『新日本で1番下っ端のオレがお前をやっつけてやる』と言われた」と思い出を語った。

 インタビュールームでは「今日は、内藤には正直感謝している。10年前には無名の2人で第1試合を戦っていた。いつの間にかすげえ選手になった。今日は中盤から立っているのがやっとだった。オレは正直、新日本の生え抜きではないが、違う経験をしてきた。濃い15年だった」と、02年12月に全日本プロレスでデビューしてからの歳月を振り返った。

 一方、タイチにシングルマッチで初めて勝利したという内藤は「2010年、タイチがメキシコでのし上がっているときに、オレは間近で見ていたから、スーパージュニアでの優勝を予想したし、力を持っていた。

 今後は、リスクを恐れず前に出ることが、彼にとって大事だと思う。体も大きいし、階級を上げる(ヘビー級に)ことも考えた方がいい。一歩、踏み出す勇気が必要だ」と話していた。