日本ボクシングコミッション(JBC)は25日、体重超過でWBC世界フライ級王座を剥奪された比嘉大吾(22=白井・具志堅)に、ボクサーライセンス無期限停止処分を下した。ファイトマネー相当額の20%を制裁金とし、復帰には1階級以上上げることを義務付けた。処分停止解除は定期的に体調管理報告などを受け、総合的に勘案して決める。具志堅会長、野木トレーナー、滝田マネジャーは戒告処分。世界戦で日本人初の失態に過去例のない重い処分となった。

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 比嘉の処分発表前、26日のIBF世界2位決定戦の前日計量があった。日本人対決の両者はほれぼれするような肉体で、リミットにピタリだった。耳に残る一言がある。ネリが2・3キロ超過の瞬間、山中が吐き捨てた「ふざけるな!」。外国人の失敗はよく見てきたが、日本人が失敗するとは思いも寄らなかった。

 試合間隔の短さ、筋肉増強のフィジカルトレ、体質…。理由はいろいろだろうが、ジムの管理責任は重い。計量2日前の予備検診では見る影もない姿だった。その夜は他選手の試合で、戒告処分の3人は比嘉と別行動だった。危機感があったのだろうか。

 「あってはならない事態を引き起こしてしまったことを深く反省しております。JBCの処分を厳粛に受け止め、選手の健康管理を徹底する所存です。お騒がせ致しましたことをあらためて心よりおわび申し上げます」。ジムはコメントを出すにとどまった。せめて真摯(しんし)な態度、姿勢を示す会見をすべきだった。【河合香】