テレビ朝日系「痛快!ビッグダディ」で知られる柔道整復師のタレント林下清志氏の三女で、7月にプロテストに合格したばかりの林下詩美(19)がルーキー離れした堂々のデビュー戦を披露した。

 レッドのコスチュームに身を包んだ林下は、入場曲とともに観客からの大きな手拍子に合わせてリングイン。試合前、父清志氏ら大家族から花束を受け取って会場を盛り上げると、先輩レスラーのジャングル叫女(きょうな、27)とのシングル戦で15分間を戦い抜いてドローに持ち込む大健闘のファイトをみせた。

 パワーと経験で上回る叫女のボディープレス、エルボー連発を浴び、踏みつけられたものの、逆エビ固めやドロップキック、カウンターでの一本背負い投げからの裸絞めで反撃。「一番のパワーファイターになりたい」と掲げる通り、アルゼンチン式背骨折りで叫女を持ち上げた。大外刈りとバックボーンとなる柔道技で攻め込み、何度も丸め込んで3カウントを狙った。終盤はスタミナ消耗で捕まり、スライディング式ラリアットなどで攻め込まれたが、ギリギリで回避して15分、引き分けとなった。

 「今日の試合見てもらってどうでしたかね。『ビッグダディの娘』というだけでなく、終われたんじゃないかなってと思います。プロレスラーとしていい選手だなって思ってもえるような試合が出来たんじゃないかな。これからはプロレスラー林下詩美として知ってもらいたいと思います」

 岩手県で中学、高校と柔道部に所属。高校を卒業し、妹弟の学費を稼ぐために1年間働いた後、夢だったプロレスラーになるために今年3月、スターダムに履歴書を送付。7月5日、プロテストに合格していた。「中学校から大好きだったプロレスを今、デビューできて勝ちはできなかったですけど、満足した気持ちです。柔道技、アルゼンチンバックブリーカー。練習してきた技を出せて、やれること出し切れました」と満足そうな笑みをみせた。

 引き分けに持ち込んだものの、王座挑戦経験もある叫女との実力差を痛感した。「戦ってみて、やっぱりスターダムのパワーファイターやってきている人なんだなって。戦ってみて体中痛くて。私もスターダム一番のパワーファイターになりたいので、いつか勝って、越えるべき壁だなと」と決意を新たにした。

 「今日勝てなかったので、10点ひいて90点。いや95点」と自己採点したデビュー戦終了直後、ロッシー小川社長からシングルリーグ戦「5☆STAR GP 2018」(18日、東京・新木場1ST RINGで開幕)のエントリーを決められた。デビュー戦を終えたばかりのルーキーには異例の抜てきだ。「私でいいんですかね。今日は、まずプロレスの試合が初めてで。リーグ戦も初めて、初めて戦う選手ばかりなのでワクワクしています」と声を弾ませていた。