優勝決定戦に初進出した飯伏幸太(36)が、エースの前に屈した。棚橋弘至のハイフライフロー3連発浴びて35分0秒、3カウントを許した。飯伏は「本当に、ここまで頑張ってきた。36年で一番頑張った1カ月だった気がします。それでもまだ何か足りないですか? まだダメですか?」と両手で顔を覆った。

 棚橋の繰り出したドラゴンスクリュー、四つ葉固めなどで右ひざを殺された。張り手合戦、エルボー合戦では1歩も引かなかった。やり投げ、スワンダイブ式原爆固め、シットダウン式ラストライドと大技連発で、好機をつかんだものの、必殺のカミゴェ(相手両腕をつかんでヒザ蹴り)を3度回避され、決定打を出せないままに相手必殺技の嵐に巻き込まれた。

 16年2月、両団体所属だった新日本プロレスとDDTプロレスを同時に退団。「1回諦めて、2年前に復帰してからは絶対に諦めないと決めて、またプロレスをやり始めた。何が何でも立ってみます。ボクは諦めないです。これ以上ないです」。セコンドについてくれたユニット「ゴールデン☆ラヴァーズ」の盟友でIWGPヘビー級王者ケニー・オメガに見守れながら力強く再起を口にした。