前WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)が20日、都内のジムで現役続行を表明した。

5月にヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)に敗れて王座を陥落したが、再戦で雪辱を目標に掲げた。陣営は王座奪回後はフライ級に上げて、2階級制覇を目指すプランも明かした。

ブドラー戦では日本人3人目の統一王者で初防衛に、WBA王座は日本歴代6位に並ぶV8を逃した。「いい引き際」と、家族、友人、先輩の元世界王者内山高志氏らに1度は引退すると伝えた。大半から続行を希望されたが、以前から考えていた飲食店経営の準備にとりかかろうとしていた。

3週間後に体を動かし始めると、悔しさが湧いてきた。「心身ともうまくいかなかった。不完全燃焼でふに落ちない。あれで終わっていいのか」という気持ちが強くなった。「とにかくブドラーにリベンジしたい」と6月中旬には現役続行を決断した。渡辺会長も「オプションもあるのでできると思う」と、即再戦への交渉に入る。

減量苦もあるため、フライ級も視野に入れている。同級では24日にWBO王者木村と3階級制覇を目指す田中が日本人対決する。田口と田中の王座統一戦が注目されていた時期もある。渡辺会長は「勝者とやれるようなら面白い」と話す。

再出発へ「心機一転で変化をつけ、一からスタートしたい」と話す。そこで元日本王者の梅津トレーナーと練習していくことにした。入門時の洪トレーナーと同じ門下生で気心は知れている。9年間ついていた石原トレーナーもサポートしていく。1週間前から本格ジムワークを始め、ブドラー対策にも取り組んでいる。田口は「まだ伸びシロがあり、さらに強くなっていく」と再び世界の舞台を目指す。