08年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストで総合格闘家の石井慧(31)がグラップリング(打撃なし、関節と組み技のみ)ルールで、元UFCヘビー級王者フランク・ミア(39=米国)に勝利した。

IQレスラー桜庭和志(49)が主宰する同大会で実現した重量級のシングルカード。ミアのタックルの動きに合わせて背後を取った石井は、立ち上がろうとした相手を大内刈りなどでマットに倒した。上に乗り、横四方固めの形で関節技を狙うもののブレイク。再び石井が大外刈りでマットに倒し、横四方の形でミアを抑え込むと、北南絞めを狙ったところで終了。そのまま延長戦に突入すると、再び北南絞めで攻め続け、消極的な姿勢となったミアに指導が入り、石井の勝利が決まった。

試合後、自らのツイッターで「勝ちましたが決めきれずに反則勝ちでした」と振り返った石井だが、対戦が実現したミアは2度、UFCヘビー級王座を獲得。アンドレイ・アルロフスキー(ベラルーシ)、ブロック・レスナー(米国)、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)、ミルコ・クロコップ(クロアチア)ら名だたる王者を下してきた関節技の名手。17年にUFCとの契約が終了した後も、米総合格闘技団体ベラトールFCでエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)と対戦するなど現役を続ける「歴戦の雄」を下したことは大きな自信になったはずだ。