全日本プロレスは10日、後楽園大会で8日に亡くなった故輪島大士さん(享年70)の追悼セレモニーを行った。

試合開始前に、全選手、スタッフがリングを囲み、遺影を持った渕正信がリング中央に立った。場内スクリーンに輪島さんの全日本時代の姿が映し出され、観客と一緒に黙とうと追悼の10カウントのゴングが鳴らされた。

デビュー前にスパーリングパートナーを務めたという渕は「昭和の大横綱だったのに、偉ぶったところはなく、プロレスで一からやり直す覚悟があった。先輩から散々投げられて、慣れない受け身の練習を繰り返す姿に、胸を打たれた。よく一緒に飲みに連れて行ってもらって、明るい豪快な人だった」と話した。名誉レフェリーの和田京平さんは「プロレスをメジャーにしてくれた立役者。入団させた馬場さんが、知名度の高さに驚いていたほど。横綱が来ただけで、日本テレビがゴールデンタイムにスペシャル番組を放送してくれた。話をすると、自分の世界に入っちゃって、なかなかかみ合わない。それで、最後は笑っちゃう。底抜けに明るくて、真っすぐな人だった。みんなに好かれていて、悪く言う人はだれもいなかった」と故人を偲んでいた。