神のメンタル!? ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が11日、本場ラスベガスで20日に迎える同級3位ロブ・ブラント(米国)との2度目の防衛戦へ練習を公開した。「できればいいなというくらい。それがマイナスの作用をもたらすこともあるので、平常心で。結果としてそうなればと」。言及したのはKO勝利。あえて、狙いすぎないことに主眼を置いた。

心理面での変化だ。「ただ勝つだけじゃなく、前に出て思い切りぶん殴る」。8月の発表会見では前面にKOを意識していた。以降の調整期間2カ月で、気負いが抜けたように感じられる。通じるのはジムの先輩で元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏のメンタル。この日練習を見守った同氏は「KOしたい思いを出し過ぎないこと。僕も気持ちを抑えていた」と呼応。日本歴代2位、12度の世界戦防衛の鍵を説いた。

くしくも、村田は「ピリピリした感じはない」と言った。それは以前、山中氏の世界戦前の姿を見て、「近づきがたさとかがない。ピリピリ感がないのがすごい」と自らが驚いていた姿に重なる。尊敬する先輩と共鳴する姿勢を携え、海を渡る。【阿部健吾】